中国で一人旅をしていた時のはなし。
2008年、世界遺産に登録された福建省の土楼群。
当時、中学2年生だった私は、たまたまテレビで福建省の土楼に関する特集を見て感動したのを今でも覚えています。今でも、あの当時の私が土楼の何に感動したのか具体的に説明することはできないのですが『土楼』という建築物、そこにある歴史には、なにかこう、その当時の私を圧倒するものがあったのです。
中国留学1年目の冬休み、中国南方を気ままに一人旅していた私は1週間前に行き先を決めて、宿と列車の席を確保するという文字通りの自由気ままな旅を3週間程していました。福建省の土楼のことに関しても、滞在先の宿で就寝前、突然中学時代の記憶を思い出し、即座に行き方を調べ、その場で宿と列車のチケットを予約するという弾丸ぶりでした(笑)とは言っても、今の時代は世界のどこにいてもネットさえ繋がっちゃえば、なんでもできちゃうから便利なもんですよね~。
そうして訪れた、福建土楼。
「日本人が来るのは久しぶりだよ~!」と宿のおっちゃんに言われ、
ものすごい好待遇を受け、気づいた。
(日本人観光客、私一人じゃん...。)
当時の私のなんとも頼りない中国語力でこんな田舎まで来てしまった...!
福建土楼、およそ3週間の一人旅のなかで最も濃い3日間。
やたらお金をぼったくられてる気がしながらも、土楼に魅せられてしまった私。
なんだか胡散臭い宿のおっちゃんと、バイク乗りのじいちゃんと私。
たぶん今後も一生忘れることはないであろう3日間の始まりでした。
(つづく)